[特集]ネオプランについて語る-①

今回は自分が研究しているネオプランのバスについて語ろうと思います。
ネオプランはドイツのバスメーカーです。こっちはこっちでバスを作っているMANの関連会社の様です。日本ではバブル期に流行り、今では考えられないような会社が導入していたこともありました。現在は輸入が終了し、国内では現存限りとなっています。右ハンドルや非常口など日本の保安基準に適合するように形態を変えた姿は、ネオプランが最後の活躍をしている今こそが見納め時だと思い、ひとめ実車を見たいと思ったのが自分がネオプランを好きになったきっかけです。

今回は自分が一番最初に見せてもらったネオプラン製バスを紹介します。

自分が初めて見たネオプラン製のバスはこちらです。この車両は広島のセントラル交通に在籍していたネオプランスターライナーです。セントラル交通では4台目のネオプランでした。この車両の存在はとある方のTwitterの投稿で知りました。国産車とは明らかに違う謎に包まれた1台のバスからは、写真からでもかなりのオーラや迫力を感じました。そこで、貸切をしてみたいと思うようになり、セントラル交通さんに連絡を入れました。

実施日やコースなどを調整していたさなか、3月ごろに電話を入れたところ、他のバス会社さんからお呼びがかかっているということを教えていただきました。この車両は運行をしながらもネットの中古車販売サイトに掲載されており、そこを経由して全国各地の色々なところから視察に来る方がいらっしゃったようです。ネオプランは国内現存限りなので、ネットに出回ることも稀なネオプランにいろいろな会社が目を付けたようです。

自分も何とか調整して、売却前に貸切ツアーを実施できないか検討したのですが、3月中の売却が決定しました。そこで念願のネオプラン乗車を目前として諦めるしかないと思っていたところ、なんと社長さんから「だったら明日にでも見に来ない?」と言っていただけました。一度は迷って「明日は厳しいかも」と言ったのですが、ここで諦めたら二度とチャンスはないという気がしたので、受話器を降ろさないうちに「やっぱり行く」と伝えました。
そして当日、教えてもらったバス停で下車。降りてすぐと聞いたけどどこだ?と思っていたところ、ちょっと向こうにこの車両の姿が。間違いない、あそこが車庫だ!と向かったところ、この車両は見る角度により色が変わる独特のマジョーラカラーで出迎えてくれました。塗装が珍しいこともありますが、3軸のタイヤに湾曲したガラス、8つ並んだ前照灯、その間に輝くまさかのベンツのエンブレム。遠くから見ただけで感動しました。

セントラル交通の車庫にはプレハブ小屋のような建物があり、そこで社長が待っていてくれました。お忙しい中わざわざスターライナーの鍵を開けていただき、車内を案内していただけることになりました。車内に入って、通路真上に手前から奥まで2本の照明ケーブルが通っており、オレンジや青色の照明で天井を彩っていました。



社長から案内していただいた部分で特によく覚えているのはこれ。上のフロントガラスに隣り合っている側面ガラスの部分です。これは結露していますが、実はここは二重窓となっています。導入時は内側の結露を防ぐガスが吹き込まれていたようですが、この車両は2002年式で年月が経過していたこともあり、ガスが抜けて結露している状態でした。



座席は独特の形状でした。この形状を言葉で示すのは少し難しいですが、「ネオプランって感じ」がします。少なくとも現代の国産車で見られる座席とは形状が違います。たしかこれはネオプランの方でつけているものだったと思います。向こうでは大柄な人が多いのもあってか、大型の座席でハイバックシートとなっていました。また注目してほしい部分は肘掛けで、格納式になっておりスムーズな着席をアシストしています。

運転席を客席から見下ろしたらこんな感じです。棒ギアで古めかしさを感じる部分もありますが、ドット式のパネルが設置されておりコンピュータが普及し始めた頃の雰囲気を感じられるという独特な空間となっています。同じ時期に同じく輸入された広島電鉄の5000形電車もタッチパネルが開発される前だったこともあり運転席周りがボタンやランプでごちゃごちゃしていますが、この車両もスイッチが左右にびっしりついています。
輸入車特有の翻訳テープが貼られています。これはこの車両を新製導入した城南観光が設置したものかもしれません。イラストがかわいらしいです。エンジンのスイッチもこのような同じ形をしたスイッチの中に紛れ込んでいます。MotorStop/MotorStartの文字がどこか素敵です。画像はクリックすると大きくなりますので探してみてください。ブラインドスイッチもあるということはつまりブラインドが自動で作動するということです。

右側のスイッチには車体系のものが多いです。この車両は3軸車なので、3軸目のステアを切ったりするスイッチもあります。車高調整と書かれたスイッチはニーリングのものかと思われます。熱線を作動させるスイッチも含まれています。





前扉の上には星のエンブレムが。車種名のスターライナーと何かしら関係があるのでしょうか。








前扉付近には乗務員の仮眠スペースが。窓などはついていないのでちょっと怖そうです。国産車であればトランク1本分のスペースが休憩スペースとなっていることが多いですが、ここが仮眠スペースとなっているのもまた国産車とは違った独特の特徴かと思います。





中は結構広く、通路階段部分の下くらいまでは余裕でありそうです。国内で確保されたものかもしれませんが、マットレスがいくつか敷かれていました。足を延ばして寝ることはできそうですが、寝転ばなかったので快適なのかどうかは正直分かりません。





座席裏はこんな感じです。網にボトル入れ、テーブルなどは国内でもメジャーな装備です。いくつか国内に輸入後につけられたものもあるかもしれません。握り棒は座席のデザインに取り込まれており出っ張って邪魔になるということはないです。





握り棒の間には格納式の灰皿が装備されています。国内車では金属製のものがつけられていますが、この車両は握り棒と一緒で座席のデザインに取り込まれており、閉じていたらひとめでは灰皿とは分からないと思います。灰皿で外側がプラスチックのものは珍しいと思います。




この車両のたくさんの特徴のうちのひとつですが、なんと中扉を装備しています。ネオプランでは本国でも中扉付きがメジャーです。前扉はガラスがはめられていましたが、この扉はほとんど壁という感じであまり目立ちません。シンプルな形状であることもあって、マジョーラカラーが生きています。




中扉が開いたところはステップがたくさんあり、ワンステップやツーステップなどという言い方で言えばフォーステップということになります。ブルーのライトは後付けのように見えました。壁のような場所がパカッと開いてでてくる狭い入口は秘密の裏道のようで面白いものがあります。








ホイールにはZFの文字が。ZFはトランスミッションのメーカーのことのようです。有名な15mバスのメガライナーもZFのマニュアル、オートマチックを搭載していました。車両が誇らしく掲げているベンツのエンブレムのほかにも、さまざまなブランドのロゴマークが光っています。いろんなメーカーが1台のバスを構成していることがよくわかります。



リアはこんな感じです。この車両のテールランプは独特です。後退角の部分にネオプラン特有の縦に積まれたテールランプが設置されていますが、エンジンルームの蓋部分にも三角の赤いベースが設置されており、スターライナー特有の姿となっています。
リアに非常口がつけられているのも国内では二階建て以外では若干珍しいものとなっています。これは日本の保安基準に適合させるために特注で装備されたものです。

今回は、ネオプランとの馴れ初めをお話させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。今後もこのような自分のネオプラン愛を発信する記事を書ければと思っています。皆様が見かける機会もあまりないであろうネオプランの知恵を少しでも皆様と共有し、ネオプランを知り、興味を持っていただければと思っております。よろしくお願いします。今後は車両紹介などをする予定ですので、そちらも併せて楽しんでいただければと思います。


最後に
貴重な撮影の機会を下さったセントラル交通様へ感謝申し上げます。
当記事で紹介した車両は間違いなく自分の人生を変えた素晴らしい車両でした。
お忙しい中ご対応いただいたことに厚くお礼申し上げます。












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